キ〜ンコ〜ンカ〜ン・・・

 

和樹『ついに・・・三年生、かぁ〜。』

 

こみっくパーティー     

 

スタート!

 

ガラガラガラ・・・ピシャン!

 

バタバタバタ(席につく生徒達)

 

起立!

 

礼!

 

ドスンドスン(席につく生徒)

 

教師『・・・さて、君たちも三年生になったわけだが、来年はどうするつもりなのかな?

   大学に進学する者、就職をする者、浪人する者もいるかもしれない。

   君たちには様々な道がある。どれを選ぶかは・・・・           』

 

和樹『(来年・・・かぁ〜。)』

 

 

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン・・・

 

教師『・・・なんにしろ、後悔しないで欲しい。

   ふむ、ちょうど時間もきたことだし、これで終わりにするか。』

 

起立!

 

礼!

 

ザワザワザワ・・・

 

やっと終わったーーーー!

退屈な話だったな〜。

どんな話だった?俺寝てたから聞いてないんだけど

ん〜、来年がうんたらこーたら・・・

なんだ、くだらねえ話だな〜

 

和樹『んん、話きくだけっつうのも辛いもんだ。』

 

瑞希『何言ってるのよ、どうせ寝てたんでしょう?』

 

こいつの名前は高瀬瑞希

高一からの付き合いだ

 

和樹『いや、しっかり起きてたよ。』

 

瑞希『・・・ホントかしら?

   じゃあ、何話してたか言える?』

 

俺の世話をやきたがる物好きだ

 

和樹『ん〜・・・来年がうんたらこうたら。』

 

瑞希『それだけ?』

 

和樹『それだけ。』

 

瑞希『・・・ハァ〜、寝てはいないけどボーっとしてたのね。』

 

和樹『ん、まあちょっとな。』

 

瑞希『まあいいけどね。

   ねぇ・・・和樹?』

 

和樹『?どうした?』

 

瑞希『あ、あのさ、最近なにかあったの?』

 

和樹『どうしたんだ?急に。』

 

瑞希『ん、和樹、最近さあ・・・なんか元気ないようにみえたから。

   何かあったのかなぁ〜・・・と思って。          』

 

和樹『別に・・・何にもないよ。

   俺はいつも通りだぞ。   』

 

瑞希『そ、そう?ならいいんだけどさ。』

 

和樹『めずらしいな、瑞希が心配してくれるなんて。』

 

瑞希『なによ〜、めずらしくてわるかったわね(フン)。』

 

和樹『そんなすねんなって。

   瑞希がいいやつだって事はわかってるんだから。』

 

瑞希『な、なによいきなり!

   気付くのが遅いのよ、全く。』

 

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン

 

瑞希『あっ、チャイム。

   ねえ、和樹は今日部活?』

 

和樹『ああ、うん。たぶんそうだと思う。

   瑞希は?            』

 

瑞希『私も。』

 

ガラガラガラ

 

瑞希『あっと、座んなくっちゃ。』

 

バタバタドタドタ・・・

 

部活・・・・か

なんか、最近なぁ〜・・・・物足りないんだよな、実際

表にだしてるつもりはないんだけど・・・わかっちゃったか〜

まあ、瑞希とのつきあいも短いわけじゃないし、わかってもおかしくねえか

 

 

授業も終わり、俺は部活のため美術室にいくことにした

ちなみに、俺は美術部、瑞希はテニス部だ

 

ガラガラガラ・・・・

 

和樹『・・・なんだ、まだ誰もきてないのか。』

 

見慣れた美術室

 

和樹『こことも、もうそろそろおさらば・・・・・か。』

 

俺は名残惜しむようにまわりをみまわした

ここで過ごした日々を思い出しながら・・・・

 

 

 

和樹『っと、俺らしくないな。

   さて、はじめるか・・・。 』

 

かきかけの作品を仕上げるため、イスに座りキャンバスにむかった

筆を手にとり、さっそく続きをはじめようとした・・・が

 

和樹『・・・・』

 

一向にすすまない

つくりかけの作品をジッと眺めているだけ

 

和樹『・・・考えたってはじまんねえ。』

 

意を決したかのような面持ちで和樹はかきはじめた

さっきとはうってかわり、ひっきりなしに手が動いている

しばらくすると、そんな様子を美術室の後ろのドアからみつめるものがいた

 

瑞希『和樹・・・』

 

和樹の友人、高瀬瑞希であった

 

〜テニス場〜

 

和樹の様子をみおえた瑞希は練習にもどった

 

由実『瑞希、遅い〜。』

 

瑞希『ごめんごめん。ちょっと時間かかっちゃった。』

 

梢『また彼のところ〜?』

 

瑞希『彼?』

 

由実『またまた〜、とぼけちゃって。

    瑞希、千堂君とつきあってるんでしょ〜?』

 

梢『いつもあつあつだしね〜。』

 

瑞希『そ、そそっそ、そそ、そんな事あるわけないでしょ!(*`□´*)

   へ、変なこといわないでよね!(*`□´*)    。』

 

由実『そうなの〜? 

    でもさ!でもさ!彼の事好きなのは確かなんでしょ?』

 

瑞希『え!?いや、あの・・・その、それは・・(もじもじ)。』

 

梢『好きじゃなきゃ休憩の度に様子みにいくなんてできないもんね〜。』

 

瑞希『そ、それは!最近、和樹・・・元気ないみたいでさ・・だから・・』

 

梢『好きな人がおちこんでいるのはみてられない、と。』

 

由実『そして、うまく彼を元気づけてポイントアップを狙っていると、と。』

 

梢『そのまま彼氏彼女にむけて一直線!ってなところ?』

 

瑞希『もう!そんな事考えてるわけないでしょ!

   ただ単に心配なだけよ。元気のないあいつみてるのもつらいし・・。』

 

由実『う〜ん、だったらデートにでも誘ってみれば?』

 

瑞希『で、ででで、でで、デート!!!????』

 

梢『それいい!

    そうだよ、そう!外で遊んだりすれば元気になるかもよ?』

 

瑞希『で、でも・・デートだなんて・・・。』

 

由実『何恥ずがしがってんのよ〜。』

 

梢『あはは、ほんと、瑞希ってなんかういういしいよね〜。』

 

瑞希『わ、わるかったわね!(フンだ)。』

 

梢『ほら、すねないすねない。』

 

由実『だったら「おでかけ」って事にすれば?』

 

瑞希『(・・おでかけ・・・かぁ〜)』

 

教師『そこ!おしゃべりしない!』

 

由実・梢『は〜い。』

 

瑞希『(・・・・さそってみようかな?)』

 

 

パンパン!!

 

教師『今日はこれまで!

   みんな帰っていいですよ。』

 

ざわざわ・・・

 

由実『あ〜、今日も疲れた〜・・・。

   梢、瑞希、帰ろう〜。

 

梢『だね〜。

  帰りどっかよってく〜?』

 

由実『う〜ん・・・・ちょっとマックよってこう。』

 

梢『おっけ〜。瑞希は?』

 

瑞希『う〜ん・・・私はいい。

   今日は帰るわ。    』

 

梢『む〜・・・友達付き合いわるいぞぉ〜。』

 

瑞希『あはは、ごめんね〜。

   次は付き合うから。  』

 

由実『そんなこといわないの、梢。

   今から、彼にデートの申し込みしにいくんだから邪魔しない邪魔しない。』

 

梢『あっ!なるほど!

  瑞希、ファイトだよ!』

 

瑞希『だ、だから違う・・』

 

由実『梢、いくよ〜。』

 

梢『あっ!うん。じゃあね、瑞希。』

 

由実『瑞希、また明日ね。

頑張るんだよ。   』

 

瑞希『違うって言ってるでしょ!』

 

由実『あはは・・・退散〜。』

 

梢と由実は鞄で頭を隠しながら小走りに走っていった。

 

瑞希『全く〜・・・・』

 

でも、あながち間違いじゃないか・・・いるかな?あいつ

 

そう呟きながら、赤く染まった校舎の一角をみあげた

 

〜美術室〜

 

和樹『ふぅ・・・今日はこんなもんかな。』

 

と、製作中の作品をみながらそうつぶやいた。

気付けば、下校の放送が流れていて、部活を終えた人たちの話し声や歩く音がきこえてくる

赤く染まった教室もそんな時間であることを教えてくれる

 

和樹『ん〜・・・俺も帰るか。』

 

教室をでようと、ドアの取っ手に手をかけようとしたその時・・・

 

ガラガラガラ・・・

 

和樹『ん?』

 

瑞希『あっ・・・い、今かえるとこ?』

 

和樹『ああ、そうだけど・・・お前帰ってなかったのか?』

 

瑞希『帰ろうと思ったんだけどね、和樹が1人で寂しいんじゃないかな〜と思ってさ。

   友達おもいの私に感謝してよね。                     』

 

和樹『へえへえ。感謝させていただきます、瑞希様。』

 

瑞希『むっ・・・何よ、その言い方は〜。

   もっと別の言い方があるんじゃない?』

 

和樹『アリガトウゴザイマス、ミズキサマ(ロボット風)。』

 

瑞希『・・・』

 

和樹『・・冗談だよ。冗談だからそんなにおこんなって。』

 

瑞希『・・・ほんとかしら。』

 

和樹『そりゃもう。お前がイイやつだっていうのはわかってるからさ。

世話かけてごめんな、瑞希。                』

 

瑞希『な!?なによいきなり・・・きもちわるいわね〜(*/´ `ヽ*)』

 

和樹『・・・ぷくく(顔真っ赤にして・・からかいがいのあるやつ)』

 

瑞希『な、なによその含み笑いは!』

 

和樹『な、くく・・なんでもない、なんでもないぞ。』

 

瑞希『ひっかかるわね〜・・』

 

和樹『まあまあ。帰るぞ、瑞希。』

 

ポンポン(頭を軽くはたく音)

 

瑞希『う、うん。』

 

納得(?)してくれたようなので美術室をでて、下駄箱へとむかった

まわりには俺達と同じような部活帰りの連中がわいわい騒いでいて

今迄静かだった校舎も活気をとりもどしていた

ふと隣をみると、瑞希が妙にそわそわしていた・・・

 

和樹『瑞希。』

 

瑞希『な、なあに?和樹(^^;)』

 

和樹『さっきから・・・何そわそわしてんだ?』

 

瑞希『え、ええ?そそそ、そう〜?

そんな事ないけど〜。(由実達が変な事言うから意識しちゃうじゃないもう!)』

 

・・・バレバレだっつうの、全く・・嘘つくの下手なやつだな

まっ、瑞希が必死こいて嘘ついてるわけだし、黙っといてやるか

 

和樹『・・・ならいいけどよ。』

 

そして・・・靴を履き替え、自宅までの道のりをいざゆかんとしようとしたその時・・・

 

瑞希『ね、ねえ、和樹・・。』

 

和樹『あん?』

 

瑞希『ん、んとさ、明日・・・ヒマ?』

 

和樹『明日?・・・まあ家でだらだら過ごすつもりだけど。』

 

瑞希『じゃ、じゃあさ、私と一緒に・・・・』

 

『どっかいかない?』の一言を言おうとしたまさにその時!

 

??『はーーーーーーーーーはっはっはっはっはっは!!!』

 

ズル!

 

瑞希は盛大にズッコケタ

 

和樹『・・・ふぅ〜

   なんのようだ?・・』

 

声のした方向に振り向くと、屋上からこちらを見下ろす1人の男

緑色の髪に小さい眼鏡、その顔には自信に満ち溢れていた

右手の人差し指で眼鏡を上げ、左手でこちらを指差し高らかに笑っていた

その男の名は・・・

 

和樹『大志。』

 

大志『クックックック、久しぶりだな、まいぶらざぁあ〜んどまいしすたぁ〜。』

 

こいつの名前は九品仏大志

単なるきちがいバカだ

 

大志『吾輩がここにいる理由、それは・・・まいしすたぁ瑞希にある!』

 

瑞希『はあ?何いってんのあんた。』

 

大志『ふっふっふ、隠さずともわかっているぞ、我が同志よ。

   吾輩の目的とまいしすたぁの目的は一緒なのだからなぁ。』

 

瑞希『私とあんたの目的が一緒!?

   冗談やめてよ。何を根拠にそんな事を・・・』

 

大志『ほほう、あくまでしらをきるつもりか。

   ならば、まいしすたぁ瑞希に問う。さっき何を言おうとしたのだ?』

 

瑞希『(ギクッ!!)な、なんの事かしら?』

 

大志『・・・クックック、ならば吾輩がかわりにいってやろう。

   よく聞くがいい、まいぶらざぁ和樹よ!        』

 

和樹『あん?』

 

大志『私と一緒に・・・(瑞希の真似しつつ)』

 

瑞希『や・・・』

 

大志『明日こみパにいこうね!!(ちゅっど〜〜〜〜〜ん)』

 

瑞希『・・・はい?』

 

和樹『・・何言ってんだ?』

 

大志『というわけでだ、まいぶらざぁあ〜んどまいしすたぁ〜!

   明日はこみパにゆくぞ!!               』

 

和樹『どういうわけだよ!!』

 

瑞希『っていうかこみパってなに!?』

 

大志『それは・・・・・・・・いえんな。』

 

ズルッ(またも盛大にこけた瑞希)

 

和樹『んなもん1人でいってろ。』

 

瑞希『そうよそうよ。』

 

大志『・・・そんな事をいっていのか?まいぶらざぁ。』

 

和樹『・・・どういう意味だ?』

 

大志『吾輩はわかっているぞ、同志よ。

   お前のこころで眠っている熱いその魂。現状に満足しているのか?同志よ。』

 

和樹『・・・・』

 

大志『持て余した熱い魂、そのひたむきな情熱、あまりあるパワー、

   ぶつけてはみないか?同志よ。

   やる気があるなら吾輩が最高の舞台を用意してやろう。   』

 

和樹『・・・なるほど。その舞台ってやつが『こみパ』ってやつなんだな。』

 

大志『クックックック、そういう事だ。

   どうする?まいぶらざぁ〜。  』

 

和樹『・・・うけてたつ。』

 

大志『さすがはまいぶらざぁ〜。そういうとおもっていたぞ。』

 

和樹『そりゃどうも。』

 

大志『で、まいしすたぁはどうするのだ?』

 

瑞希『いくわけないでしょ!!このバカ大志!!』

 

ブン!!(カバン投げた)

 

ドス!!

 

大志『ぐはっ!!』

 

クラッ・・・・ヒュウ〜〜〜・・・グシャ!!(屋上より落下)

 

瑞希『フン!!』

 

ドスドスドス!!!

 

和樹のバカ!!

 

和樹『瑞希・・・』

 

大志『・・・・まあいい。予想して事でもあるしな。』

 

和樹『・・・(生きてるよ・・)』

 

大志『敗者の事など放っておけ、同志よ。

   大切なのはこれからだ。     』

 

和樹『敗者って・・』

 

大志『まいぶらざぁ、明日の事だが・・・』

 

和樹『ああ、そうだそうだ。明日はどこに集合すりゃいいんだ?』

 

大志『その事だが・・・明日は朝一で駅に集合だ。』

 

和樹『・・・まじか?』

 

大志『嘘をいってどうするのだ?同志よ。』

 

和樹『・・・ああ、そうだったな。』

 

大志『明日が楽しみだな、同志よ。』

 

こみパ・・・ねぇ〜。

ま、明日になりゃわかるか・・・

 

続く

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